社長の部屋

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茶の心とおもてなし

コーヒーではだめなんですか/其の十二「京都とお茶」

<p class="caption">6月4~5日 <span class="f14 bold">毎年恒例の京都研修</span>に27名の社員と行ってきました。</p>
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  朝7:00発の新幹線のぞみに乗って一人行動研修の始まりです。<br />
  今年は、京都西山の善峰山(よしみねやま)に登ってきました。
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  てくてく歩く一人旅、ここももう4回目だなと思いつつ、山頂の西山から眺める京都もまた素晴らしいものです。<br />
  誰も歩かない山道を下っていると前に猿が突然現れて腰を抜かすほど驚いた記憶がよみがえりました。
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  石清水八幡宮で商売繁盛のお札を買い、祇園の奥田連峰堂(茶道具店)に寄り、「もう一服いかがですか」<br />
  今日2服目のお抹茶をいただき、また懲りずに茶碗を買ってしまいました。
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  「割烹こしの」でいつもいただく鮎と鱧、「鮎は頭から食べるんだよ」と新入社員に教え、<br />
  いつも通りのカラオケに行き、長い一日が終わります。
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  自宅に届いた茶碗を前に、家内は「あなたとは趣味が合わないわね」と言い、<br />会社に持って行けば「さすが社長、センスがいいですね」と言われ、<br />
  「どちらでもいいんだ俺が良いと思ったんだから」と納得し、<br />
  <span class="f14 bold">京都で買ってきた茶碗でいただくお抹茶はまた格別です。</span>
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      (代表取締役 増田 敏政)
     </p>
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      <li><img src="../../img/president-room/omotenashi/blog12-1.jpg" alt="茶筅" /></li>
      <li><img src="../../img/president-room/omotenashi/blog12-2.jpg" alt="茶筅" /></li>
     </ul>

コーヒーではだめなんですか/其の十一「茶筅(ちゃせん)と癖(くせ)」

今年正月に京都の寺町通りで、茶筅と茶杓(ちゃしゃく)を購入しました。
竹屋さんの主人がいろいろ説明してくれるので、つい買ってしまいました。茶碗、茶杓、茶筅、みんな手作りです。
買う人がいるから、その人の生活が成り立っているんだという変な自負を持ちつつ、毎回買ってしまいます。

祇園の茶道具の連峰堂さんからもぜひ寄ってくれという直筆の手紙を貰っていたなと思って店を出たところ、
洒落た和菓子屋さんがあり、その店の店員さんに話を聞いていたら、お抹茶が飲みたくなり、
サービスで生菓子が出たので、その生菓子をつい買ってしまいました。

鳩居堂、一保堂や家具屋さん、古道具屋さんもあり、この通りは面白いです。
でも寄る度に何か買ってしまいそうで、もう寄らない事にしようと思いつつまた京都に来た時には、来てしまいそうです。

会社で、その茶筅を使ったら、早速くせが付きました。
自分の性格は、形となっていつも現れるのですね。

(代表取締役 増田 敏政)

  • 茶筅
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コーヒーではだめなんですか/其の十「母とお茶」

「こんな幸せな母親はいないだろうね」
いつもの朝の母の口癖だ。
自分の作った抹茶茶碗で、朝お茶を点ててあげるのが私の日課だ。

「あーあおいしい」言っちゃいけないんだよね。
「自分の息子にお茶を点ててもらうとは思わなかったよ」

昨日どこへ行ったの?昨日誰が来た?昨日は何を食べたの?

「わからないんだよ。思い出せないんだよ」
「なんでこんな風になっちゃったんだろう」
「寂しいなあ。悔しいなあ」

昔、古文の授業で習ったことを急に思い出した。
母親を背負った息子がおいおいと泣いた。 昔は、わんぱく坊主でいたずらばかりをして母親を散々困らせた息子が、
母親を背負いながらおいおいと泣いた。昔はとても泣くような子ではなかったのにと母親が不思議に聞くと、
母親の痩せてあまりにも軽くなった体の中に母親の「老い」を感じて泣いた。
という内容の話だったと思う。

お茶とは凄いものです。
こんな昔のことを思い出させる力があるのだから。

「こんな幸せな母親はいないだろうね」
これで3回目だよ。

(代表取締役 増田 敏政)

  • 茶筅
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コーヒーではだめなんですか/其の九 「日本人と借景」

京都には比叡山を借景にしたお寺がたくさんあります。比叡山が見えるからここに建てた。
そんなお寺(円通寺、正伝寺)が多いのです。

嵐山が借景で有名な天龍寺、島根県には、日本一の庭園のある足立美術館があります。
いずれも素晴らしい景色を巧みに利用した庭園で、いつの季節に行っても飽きることはありません。

お寺の庭だけではありません。鎌倉に海が借景の坂道があります。
道が海に潜り込み、貨物船が見え、車が海から浮き上がってくるように登ってきます。
お寺の山門が正に額縁で、琵琶湖がまるで絵のような景色になっている参道もあります。

景色を借りるとは、日本人らしい発想だとは思いませんか。

翻って、人はどうでしょう?どこの学校を出た?学歴、どこに勤めているの?
会社、親の七光も有るでしょう。自分にとっての比叡山は、一流の大学を出て、一流の会社に勤めていることでしょうか?

私は、見えない借景もあるのではないかと思います。
目に見えない借景、それは態度であり、言葉遣いや心遣いや思いやりです。
その人の心の中にあるものが後光の光のように借景となって出てくるものではないでしょうか。

(代表取締役 増田 敏政)

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オレンジ色の作品

外側も内側にも淡いオレンジ色のグラデーションが入った作品。
お抹茶との色のバランスがとても綺麗でお茶席でパッと目を引く魅力あるお茶碗です。

コーヒーではだめなんですか/其の八 「日本人と襖」

2020年の東京オリンピック、日本に海外から大勢の人が来ます。
政府も観光立国日本を目指し、昨年年間1,000万人を超えました。

さて、その日本の文化、日本らしさは何でしょうか。
住宅でも和室が無くなり、畳、襖が要らなくなりました。
以前は、畳の表替えや襖の張替えが年末の恒例行事でした。特に襖は、滅多に見なくなりました。
襖は、木製建具ではなく、経師屋(表具店)さんに発注しました。

襖紙は、「鳥の子」雁皮紙で『紙の色鳥の卵の如しゆえに鳥の子』名称も味がありませんか。
平安時代、行事の都度適切な空間演出を行った「しつらい」のために、
取り外しのできる可動式の壁として発展してきたそうです。

私は京都に行く度に、その襖が絵の額縁のように思えてきます。
狩野永徳、俵屋宗達、尾形光琳、長谷川等伯らの絵師は、襖無くして生まれてこなかったのではないでしょうか。

襖がなくなった今、経師屋さんは、クロス張りの職人さんに替わりました。
生活様式により、日本らしさが失われるのは寂しいものです。

(代表取締役 増田 敏政)

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