~ 日本人と襖 ~
[19.04.25]
2020年の東京オリンピック、日本に海外から大勢の人が来ます。
政府も観光立国日本を目指し、昨年年間1000万人を超えました。
さて、その日本の文化、日本らしさは何でしょうか。
住宅でも和室が無くなり、畳・襖が要らなくなりました。
以前は、畳の表替えや襖の張替えが年末の恒例行事でした。
特に襖は、滅多に見なくなりました。
襖は、木製建具ではなく、経師屋(表具店)さんに発注しました。
襖紙は、「鳥の子」雁皮紙(がんびし)で
『紙の色鳥の卵のごとしゆえに鳥の子』
名称も味がありませんか。
平安時代、行事の都度適切な空間演出を行った「しつらい」のために
取り外しのできる可動式の壁として発展してきたそうです。
私は京都に行く度に、その襖が絵の額縁のように思えてきます。
狩野永徳、俵谷宗達、尾形光琳、長谷川等伯らの絵師は、
襖無くして生まれてこなかったのではないでしょうか。
襖が無くなった今、経師屋さんは、クロス張りの職人さんに替わりました。
生活様式により、日本らしさが失われるのは
寂しいものです。
増 木 工 業 株 式 会 社
代表取締役 増田敏政
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