不動産と道路のお話し②~道路の種類と建築基準法~
[20.08.19]
こんにちは、のぐちです。
前回は、Hさんの家の前にある一見普通に見える道路に、
問題があったというお話をさせていただきました。
今回は、道路のどこに問題があるのかを、
道路の種類も踏まえてお話しさせていただこうと思います。
一般的に道路とは「人や車両が通行するための道」のことを言いますが、
不動産や建築における道路の定義は「建築基準法で認められた道路である」ということです。
建築基準法で認められた道路にはいくつかの種類があり、
主な道路の種類は以下の通りとなります。
・42条1項1号道路:国道、県道、市道、区道など公道と呼ばれるもののうち、4m以上の道路
・42条1項2号道路:区画整理法や宅地開発などでできた4m以上の道路
・42条1項5号道路:「位置指定道路」と呼ばれる、私道のうち行政が認めた4m以上の道路
・42条2項道路:建築基準法施行前から存在する、4m未満で行政が認めた道路
建築基準法で道路と認められるには
「行政に認められていること」「幅員が4m以上ある事」が重要となるのです。
(42条2項道路の場合、将来的に幅員が4mになるように道路を広げる必要があります。)
前回お話しさせていただいたHさんの土地の前の道路を測ると、幅が4mにはわずかに足りません。
市役所で確認してみると、この道路は行政で認められている42条2項道路でもなく、
建築基準法の道路ではないという回答でした。
建築基準法では、法律で認められた道路に2m以上接道していない土地には、原則として建物の建築はできません。
つまり、Hさんの土地で建物の建築ができないどころか、
この道路に面している10世帯以上の土地が原則建築不可という、
非常に問題のある地域であるということが調査の結果わかったのです。
なぜこのような地域ができてしまったのでしょうか。
これは、昭和40年~50年代におきた戸建住宅の建築ラッシュが影響しています。
当時は、住宅を建てることを最優先にする為、基準法の遵守がおろそかなまま建物が建てられていました。
その後、時代が進み法律のチェックが厳しくなると同時に、建物が建てられない土地は増えていったのです。
次回は、このように問題がある土地を放置するとどのような問題があるのか、お話しさせていただきます。
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