不動産と道路のお話し③~道路問題が引き起こす地域の荒廃~
[20.08.27]
こんにちは、のぐちです。
前回は道路の種類のお話から、建築基準法で認められていない道路がある事。
そして、そのような道路に面した土地では、再建築が難しいというお話をしました。
今回は、再建築が出来ずに活用が難しい土地が引き起こす問題についてお話しさせていただきます。
前回お話ししたとおり、道路に問題があり、活用ができない土地は当然ながら価値が下がります。
そのため、売却しようとしてもほとんど値段がつかず、需要がないため買い手もなかなか見つかりません。
売却ができないとなると、そのままの状態で維持管理するしかありません。
しかし、老朽化する建物だけでなく、日々伸びてゆく植栽なども管理しなければなりません。
もし、その管理ができないようでだと、あっという間に荒廃してしまいます。
だからといって、手が付けられなくなったので放棄したいと思っても、
引き取り手がいなければ放棄する事もできません。
相続放棄という考えもありますが、自分に都合の悪いものだけ放棄するということはできないので、
資産など価値あるものをすべて放棄しなければいけません。
結果として活用も放棄もできない、まさに「負動産」となった物件は、そのまま子供達の代に受け継がれてしまいます。
何より道路問題の恐ろしい部分は、一件だけの問題ではなくその道路に面している地域全体に影響を及ぼすということです。
道路問題は、時間が経てば自然と解決するというものではなく、
むしろ、「負動産」として管理されていない荒れた空家が増えていくことになります。
売却ができず新しい人が入ってこないまま空家が増え続けると、
コミュニティを維持することができず、やがてはその地域全体が荒廃してしまします。
そして、「荒廃した地域が近くにある」という状態は、
蝕むように周りの地域のコミュニティや、不動産価値に影響を及ぼすのです。
道路問題は放置しておくと、個人の資産価値だけではなく地域全体に大きな問題を及ぼします。
しかしながら、簡単に解決できるものでもありません。
次回はH様たちがどのようにこの問題を解決していったのかをお話しさせていただきます。
- <<前へ |
- 増木コンサルマガジンのトップへ
- | 次へ>>