増木コンサルマガジン

Masuki Consulting Magazine

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マイナンバーカードの普及・利活用の促進と企業実務への影響

◆政府の方針

6月4日のデジタル・ガバメント閣僚会議で、「マイナンバーカードの普及と
マイナンバーの利活用の促進に関する方針」が公表されました。その柱は下記の4点です。

         1.自治体ポイントの活用(令和2年度;消費活性化策)

2.マイナンバーカードの健康保険証利用(令和3年3月から)

3.マイナンバーカードの円滑な取得・更新の推進等

4.マイナンバーカードの利便性、保有メリットの向上、利活用シーンの拡大

このうち企業の実務に影響があるのは、2の健康保険証利用です。

 

◆健康保険証への利用実現へ向けて

マイナンバーカードを健康保険証として利用することにより、

         ①医療の質の向上

         ②被保険者の利便性の向上が期待されますが、環境整備も必要です。
             医療機関側でマイナンバーカード利用のための端末、システムを整備するための
             支援が検討課題です。保険者からも円滑な移行を促すため、保険者から事業主、
             加入者等へのマイナンバーカード取得要請とそのフォローアップを行うとともに、
             保険者による被保険者のマイナンバーカードの初回登録の促進を図るとされています。

 

◆社会保険・税手続きのワンストップ化の流れ

政府の報告によれば、従業員の採用、退職等のライフイベントに伴う社会保険・税手続きについては、

   ①令和2年11月からマーナポータルを通じたオンライン・ワンストップ化を開始し、

   ②令和3年度後半から、企業が保有する情報のクラウドを活用した提出の実現を目指すとされています。

マイナンバーカードの普及はそれに向けての重要な役割を担っており、情報漏洩のない安全な運用が期待されます。

 

 

いよいよ発効する日中社会保障協定

 

◆9月1日から日中社会保障協定が発効に

「社会保障に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定(日・中社会保障協定)」
の効力発生のための外交上の公文の交換が、5月16日に北京で行われました。
これにより、令和元年9月1日から協定の効力が生ずることになります。
昨年5月に日中の間で署名が行われましたが、日本側では社会保障協定は条約に該当し、
国会の承認を得ることを必要としたため、発効までに時間を要したものです。

 

◆社会保障協定はなぜ行われる?

社会保障協定は、

     ①「保険料の二重負担」を防止するために加入するべき制度を二国間で調整する(二重加入の防止)

     ②保険料の掛け捨てとならないために、日本の年金加入期間を、協定を結んでいる国の年金制度に
         加入していた期間とみなして取り扱い、その国の年金を受給できるようにする(年金加入期間の通算)
         ために締結しています(ただし、イギリス・韓国・イタリア・中国については①の保険料の二重負担防止のみ)。
    現在、日本は、ドイツ、イギリス、韓国、アメリカなど22カ国と協定を署名しており、うち19カ国は発効しています
   (署名済未発効の国:イタリア、中国、スウェーデン)。

 

◆日中社会保障協定の効果

これまで、日・中両国の企業等からそれぞれ相手国に一時的に派遣される被用者(企業駐在員等)等には、
日・中両国で年金制度への加入が義務付けられていたため、年金保険料の二重払いの問題が生じていました。
日中社会保障協定は、この問題を解決することを目的としており、この協定の規定により、派遣期間が5年以内の
一時派遣被用者は、原則として、派遣元国の年金制度にのみ加入することとなります。要するに日本から中国に5年以内の期間を
予定して派遣される人は、中国の年金制度に加入する義務は免除され、引き続き、国民年金または厚生年金に加入するということです。
一方、中国から日本に同様に派遣されてくる人は、日本の年金制度への加入が免除され、引き続き、中国の年金制度に加入し続けることになるのです。

在中国在留邦人数(永住者を除く)は、121,095名(うち民間企業関係者(本人)70,135名)に上ります(平成29年10月現在)。
協定が発効すれば、企業、駐在員等の負担が軽減されますし、さらに日本企業の競争力向上や
日・中両国の人的交流が一層促進される事が期待されています。

 

 

 

~7月の税務と労務の手続期限[提出先・納付先]~

 

 

10日

   〇健保・厚年の報酬月額算定基礎届の提出期限[年金事務所または健保組合]<7月1日現在>

    〇源泉徴収税額・住民税特別徴収税額の納付[郵便局または銀行]

    〇特例による源泉徴収税額の納付<1月~6月分>[郵便局または銀行]

      〇雇用保険被保険者資格取得届の提出[公共職業安定所]<前月以降に採用した労働者がいる場合>

      〇労働保険の今年度の概算保険料の申告と昨年度分の確定保険料の申告書の提出期限<年度更新>[労働基準監督署]

   〇労働保険料の納付<延納第1期分>[郵便局または銀行]

 

16日

 〇所得税予定納税額の減額承認申請<6月30日の現況>の提出[税務署]

 〇障害者・高齢者雇用状況報告書の提出[公共職業安定所]

 

31日

 〇所得税予定納税額の納付<第1期分>[郵便局または銀行]

  〇労働者死傷病報告の提出[労働基準監督署]<休業4日未満、4月~6月分>

  〇健保・厚年保険料の納付[郵便局または銀行]

  〇健康保険印紙受払等報告書の提出[年金事務所] 

  〇労働保険印紙保険料納付・納付計器使用状況報告書の提出[公共職業安定所]

  〇外国人雇用状況の届出(雇用保険の被保険者でない場合)<雇入れ・離職の翌月末日>[公共職業安定所]

  〇固定資産税・都市計画税の納付<第2期>[郵便局または銀行]

※都・市町村によっては異なる月の場合がある。

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