相続は"なるようになる"?
[20.08.31]
過去に、こんなことがありました。
母に遺言を書いてほしいというご相談をいただいた時のことです。長女である相談者さんから現在の状況をお伺いして、私からも大まかな説明をさせていただいたあと、「では、今聞いたことを兄にも話してみますね!」という流れに。後日、お兄さまを含めて再度打ち合わせをすることになりました。
しかし、それから数日後、「やっぱり今は遺言をやめておくことにしました。」という突然のご連絡が。
理由を聞いてみると、「兄に話してみたら『そんなの、お金もかかるし、なるようになるから大丈夫だよ。』って言われたんです。だから今はいいかなと思っちゃって…。」と打ち明けてくださりました。それからもいろいろとお話をして、最終的には、しばらく家庭内の様子を伺ってからもう一度考え直すことに。
「なるようになる」という言葉の力を考えさせられた出来事でした。
相続事案を抱えたときの心情って、健康診断のそれと近いものを感じます。結果を受けて、どこか良くない箇所が見つかったときの、あのモヤ~っとした気持ちのことです。なんとかしなきゃと感じてはいるけれど、なにもしなくても毎日を過ごすことはできて、でもこのままじゃいけないことも頭の片隅では理解していて・・・そのまま時間が経過していくあの感じ。そんな状況に「なるようになる」を用いて気が楽になったとしても、心の隅に重いものを抱えたままになってしまうのではないでしょうか。
相続は、金銭だけでなく感情面でも揉めやすさを有しています。たとえ全員に等しく財産を分けたとしても、その中にひとりでも家のことで苦労や我慢をしてきた方がいれば、それを不平等に感じるかもしれません。目に見えないだけで、家族のために本心を隠してきた方もいるかもしれません。
だからこそ、「うちは大丈夫でしょ」と簡単に考えるのではなく、しっかりと時間をつくって自分と向き合ってみる機会を設けていただきたいと思っています。そして、正しい準備をした上で「これだけ準備したのだから、あとは“なるようになる”よね。」と、そんな文脈でこの言葉を言い合えることが理想ではないでしょうか。
そんな、はじめの一歩として、まずは健康診断ならぬ「相続診断チェック」から始めてみませんか?
診断結果が気になる方は、お気軽にお問い合わせください。
つかだ
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